* ひこ雑感 その4

* 英語科専用教室

 理科は理科室、音楽は音楽室、美術は美術室、技術は技術室、家庭科は家庭科室、英語は普通教室。
 私は勤務校、両国中学校で、英語科専用教室の必要性を、職員会議の議題にして訴えました。無論、校長先生、
 運営委員会の先生方に、英語科専用教室の設置のメリットを述べ、事前に根回しをしておりました。
 「国際理解教室」の名称で、設置に扱ぎつけ、結局その国際理解教室で毎時間、英語の授業が出来るように
 なりました。

 29インチのテレビ2台、校内電話を改良して別室とのテレビ電話の設置、教室の壁面には、ロンドン、
 ニューヨーク、モスクワ、北京、東京など世界各都市の時間を示す時計。
 ここでは当時まだ珍しいBSテレビを見ることが出来、休み時間にはアカデミー賞授賞式のLIVE 、ラスベガスの
 有名歌手のコンサート等の放送を流すことができました。
 生徒は前の授業が終わると、先を争って国際理解教室の自分の席に着き、隣の授業に遠慮することなく、
 大きな声で Beatles の歌を歌っておりました。
 英語教師が英語科教室の必要性、設置を要求しなければ、永久に普通教室で授業することになります!
 今は昔、30年前の話です。


* 学年の廊下

 どのクラスも廊下の壁面は、数ヶ月間貼りっぱなしの絵などが主流です。ある年、我がクラスは、
 一学期はトルコ、二学期はブラジル、三学期はスペインの紹介をすることに決めました。
 生徒は毎朝、新聞に目を通し、トルコに関する記事を切り抜いて持ち寄り、係りが厚紙で裏打ちして壁面に
 貼りました。
 トルコの首都、人口、伝統料理、世界遺産等々。東京にあるトルコ大使館・広報センターを訪問して、
 資料を沢山収集してきた生徒もいました。昼休みには、テープレコーダーでトルコの音楽を流していました。

 学年会で、我がクラスの取り組みに同調してくれるよう提案し、全会一致で賛同して貰いました。
 果たして我が学年の廊下は、まるで、国際通りとなりました。英語教師発信の国際理解教育です。
 今は昔、30数年前の実践です。