* ひこ雑感 その7

* ラジオ基礎英語

   東京下町の一、二を争う進学校で有名な墨田区立両国中学校に転任しました。三年生のクラス担任となり、朝の職員打ち合わせ会議中、
   一年生から三年生まで、全校生徒が、英、数、国、社、理の5分間テストを行って、答え合わせも済ませて、担任が来るのを待って
   いたのには、さすが下町の進学校!と驚嘆しました。

   翌年は、一年生の担任となり,年度最初の学年会で、提案しました。「英語科は朝学習の5分間テストは行わない。」「NHKのラジオ
   基礎英語を学習する時間にしたい。特に、一学期は、その時間を英語科に毎日当てて欲しい」。
   かくして、毎朝録音しておいた音声を、放送室から一年生の教室に流しました。
   やがて、学年の先生が順番に、朝の職員打ち合わせ会議中、学年を巡回して協力してくれるようになりました。
   その年は、中学生になって初めて英語を学習した生徒は一年間、上田明子教授(津田塾女子大学)のラジオ基礎英語を受講しました。
   ある月のテキストのコラムに、「両国中学校の皆さん、長先生と共に、英語の授業、頑張って下さい。・・・」という趣旨の文が掲載
   されたりすると、生徒は興奮して取り組んだものでした。




* 両中セミナリオ

   私は朝の輪読会を「英語輪読セミナリオ」と称していました。やがて学年の全ての先生が、時間内クラブ活動に、
   それぞれのテーマの講座を開設しました。
   「ミュージカル映画観賞セミナリオ」、「チャプリンの映画鑑賞セミナリオ」、「卒業論文を書く;支援セミナリオ」、「都内の
   博物館訪問セミナリオ」等々。傑作なのは「下町文化体験セミナリオ」。これは 土曜日の授業終了後、担当顧問と一緒に、手拭い、
   石鹸持参で、学校近くの銭湯へ行くセミナリオです。
   これら「両中セミナリオ」に、生徒は積極的に入部し、活動しました。生徒の成長に繋がったと確信しています。