* ひこ雑感 その8

* 電話は英語で

   今は、家庭で電話一台は設置されています。又、携帯電話の普及には目を見張ります。
   当時学校で、緊急時の電話網を作成する際、「呼び出し電話」の意味で、電話番号の後に(呼)をつけました。
   この文字の付いた生徒の家には、電話が無いので、近所の知り合いの家の電話で、通報可能という意味でした。

   両国中学校転任以前の江東区立第三亀戸中学校時代の話ですが、ようやく各家庭一台の電話設置が普及した頃でした。
   生徒が電話すると、「用件だけ!」「長電話はしない!」とよく親が怒鳴りました。
   そこで電話の活用を考えました。友達とは「英語で電話しよう!」簡単な約束の確認、遊びの待ち合わせ時間や場所の
   確認。これ等を電話を使って英語でする指導を、授業の中に取り込みました。

   保護者会で、父兄から「うちの子は最近英語で電話するんです!」「え!うちの子もですよ!」
   私は内心「ヤッター!ヤッターマン!」と叫びたい気持ちを抑えて、「それは凄いですね!」と応対しました。

   一年生の私の授業「雪の日の授業」の冒頭のスキットはその成果でした。これがパーマ賞受賞の対象になった授業でした。
   英語で電話を掛けている孫の姿を見たらどんな気持ちか、孫がいる今の私は舞い上がってしまいます!




* 音読指導について

     教科書は授業内で、しっかり音読できるようにして、帰宅させることが、私の授業の原点です。いくら家庭学習の
   大切さを言っても、教科書も音読できない生徒が、家に帰って教科書を開くことは無いと言うのが、私の指導経験
   からの持論です。

   音読指導の手順
   @ 新出単語、語句は、Oral Introduction にて、単語、語句の意味を理解させる。
   A フラッシュカードで、フラッシュさせながら、文字を見た瞬間、音声化できるような訓練を行う。
   B 教科書を開いて、教師のモデルリーデイングを肉声で聴かせる。
   C 教師の音読の後について、音読する。※ 3年生終了時までには、7語の文は一気に読めることを目標として。
   D Buzz Reading を行う。
   E 生徒を指名して、個人読みを行う。

   以下は授業で指導した後、主に家庭学習となりました。
   授業で音読した教科書の英文を5回読んだら、そのページの上の余白に☆を一つ描く。☆は5個以上描いて次の授業に
   備える。
   読めるようになったら書きましょう!
   専用ノートにその音読した英文を書く。回数も記入させる。(同じ単文だけを何回も書くのではなく、教科書の音読文
   全体を写すことに徹する。)1回書き終わったら、ページの下の余白にチューリップを一本咲かせる。
   当然次の授業では、星の数や花の本数を尋ねる会話も盛り込まれます。
   
   音読出来るようになったら、保護者に聴いてもらう。
   生徒にアメリカの州が記入してある地図を配布して、他人に自分の音読を聴いて貰ったら、どれかの州にサイン
   してもらう。家では保護者にサインして貰う。「孫が英文を読んで聴かせてくれた!」ひょっとしたら、
   お小遣いくれるかもと生徒に冗談で話すと、「小遣いくれなかった!」と真顔で報告してきました。
   中学一年生は実に可愛いですね!
   今では、英語授業研の多くの参加者が実践しているようです。