2003年 チェコ(&ベルリン、ワルシャワ、ブダペスト)の旅 6(チェコ 3)

 
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  9月25日 (木)
   10時10分発、国際特急列車でプラハへ。この列車はハンガリーの
  ブダペストを出発して、スロヴァキアのブラチスラヴァ、チェコのプラハ、
  そしてドイツのベルリンまで行く。10日前同じECでチェコからドイツに
  出た時は正直ほっとした。チェコ国内はインターシティICを利用したが、
  同じ6人掛けのコンパートメントも古ぼけて窓も汚れていた。街の色も
  たたずまいも、流れる空気さえも近代化とはかけ離れて、古色蒼然として
  いた。ベルリンは東独の暗い印象は微塵もなく、重厚感のある明るく
  活気ある都市だった。ポーランド、ハンガリーと廻りまたチェコに
  入った時、ある安心感に包まれた。なだらかな草原は、さながら新世界
  第二楽章そのままに、穏やかで、温かい土の匂いがした。

  ECは車体も窓もきれい。コンパートメントを二人で占拠して飽かず窓外の景色に見入った。素晴らしい7時間だった。
  プラハは中央駅ではなく、その先の駅に着いた。地下鉄で戻る。ホテルは勝手知ったヤルタだ。

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  9月26日 (金)
   (前略) 午後3時、念願のビアホールへ。新市庁舎の方角で徒歩20分。入口に丸時計、これが目印だ。創業1499年、プラハ
  最古のビアホール。酒場としてはかなり広い。2人のアコーディオン弾きが演奏していたが、客は3人だけ。その3人も入れ違いに
  出ていった。我々が座ると、まだ何も注文していないのに、黒ビールの大ジョッキがさっと出た。小さな琥珀色のグラスもきた。
  舐めてみると、漢方薬の味がした。トカイワインかな?アコーディオンは「里の秋」。しんみり嬉しかった。涙がホロリと…。
  そしてお代わりを頼んだ。料理はグースのソテー。結局妻の分も飲んで、大ジョッキ3杯。帰りがけに奥を覗くと中庭があって、
  数人が飲んでいた。飲み過ぎたので新市庁舎前の広場のベンチでしばらく休んだ。吸い込まれそうに、高く蒼いプラハの空だ。

   また旧市街からカレル橋まで歩いた。手すりにもたれてヴィルタヴァ川の夕景を眺めた。去年ここは大洪水で、問い合わせて
  いた在チェコ日本大使館、広報文化センターからは修復中という知らせを、出発間際に受け取っていた。イラク戦争やサーズもあって、
  今年の海外は無理かなと思ったが、決行してしまった。スメタナ美術館のスタッフの快い応対に感謝!
                               (紀行文、チェコ&ベルリン、ワルシャワ、ブダペストの旅より)
 

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