10月6日(月)
フィレンツェを10時に発って、ヴェネツィアには12時35分着。駅前の乗船場で船に乗る。
運河を行くのかと思ったら、海に出て、海からサン マルコに到着した。インフォメで
宿を紹介して貰い、サン マルコ寺院の裏手、狭い路地を探して歩いた。3つ星のような
部屋だが、値段はバカ高い。荷物を置いて早速歩く。
サン マルコ寺院は5つの丸屋根と無数の尖塔を持つ大寺院だ。白い鳩が染め抜かれた七色の
大きな垂れ幕が懸かっている。内部の床は潮を被るのでぼこぼこしている。海沿いに土産物の
仮面屋さんが並んでいる。海上沖合にマッジョーレ教会が見える。船に乗ってリド島に行ってみた。
リゾート地でベネチア映画祭が開催されるということだ。折り返しの便で戻った。
今度は運河を行ってみる。ここでは運河がそのまま通り道だ。運河に沿って建物が
並んでいる。どこも1階は使えない。汚くがらんとしている。遠い将来はどうなるのだろう。
2階から上が人の住める所だ。窓辺には花もきれいだ。破風の形をした石造りのリアルト橋で
下船。左手一帯には露天商が並ぶ。果物や魚が豊富だ。一回り歩いた後、運河沿いの
レストランに落ち着いた。運河にゴンドラの灯りが揺れている.傍に水上タクシーが繋留
されている。ナポリ民謡が聞こえる。昼より夜の方がきれいで風情がある。いかと黒鯛の
オイル焼きを注文。ここでもきれいに手早く取り分けてくれた。イカスミのスパゲッティに
粉チーズを頼むと、笑われてしまった。「イカスミにチーズだって!」と馬鹿にされたような
気がして、妻と二人首をすくめた。(紀行文 イタリアの旅より)
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