写真 私と英語授業研究会

山本崇雄  (都立両国高校附属中学校)

 私が英語教師になった年、2つの大きな衝撃を受けました。
 一つは、三浦邦彦先生(当時、足立区立第三中学校、
 現 島根県立大学教授)のAll English の授業、もう一つが
 英語授業研究会の存在です。

 三浦先生の授業は中学生ながら全て英語で指示し、生徒も
 全員指示を理解し、活発に活動するものでした。
 当時、中学生にAll English の授業は無理だと、
 決めつけていた私にとって大きな衝撃でした。
 その帰り道、何をすればいいのか途方に暮れたのを
 覚えています。
 その後三浦先生が、当時足立区に勤めていた僕の初任者


 教員研修の担当になられるという幸運に恵まれました。ご指導の中で、英語授業研究会の存在を知り、
 すぐに通うようになりました。
 当時、墨田区立両国中学校で行われていた英語授業研究会には、都中英研研究部で活躍されている先生方を始め、
 経験豊かな先生方が活発に議論を交わしていました。多様な意見をまとめる司会を杉本薫先生、アドバイザー的な
 存在の長勝彦先生。初任の僕にはオーラが強すぎて、話しかけるのに1年以上かかったでしょうか。

 その後、自分の授業も取上げていただくようになり、自分の授業の基礎を鍛えていただきました。
 大田区立御園中学校に異動してからは、土日が部活で忙しい若い先生方のために、平日の夜に開催する
 授業研究会(Osa-Ken)も立ち上げ、多くの若い先生方も、育てていただきました。
 2003年の全英連(全国英語教育研究連合会)の授業実演に向けても、多くの先生からも暖かくも厳しい意見をいただき、
 全力で取り組むことができました。
 今は、杉本薫先生とも同僚という恵まれた環境で、教師生活を送っています。また、授業研究会も共に、
 さらなる発展を遂げていると自負しています。最近では高校の先生の発表も増え、海外の先生の参加もありました。
 これらは、授業研究会の新たな歴史を感じさせるものです。

 これからは、子どもたちを取り巻く社会の変化が、これまでに想像できない大きなものになると言われています。
 ますます多様化する社会で力強く生きていく子どもたちを育てなければなりません。
 教育界も、自立した学習者を育てるためにアクテイブ・ラーニング型の授業が求められてきています。
 これまでに英語授業研究会で培われた英語教育の道筋に、新たな観点を加え、研究会自体も成長していかなければ
 ならないと感じています。

 これまで、長先生や杉本先生がされてきた、尊い指導技術、指導理念を次の世代に伝えつつ、社会の変化に対応する
 新たな考えを柔軟に模索できる会として続けていきたいと思っています。